天然砥石の魅力

天然砥石の魅力


刃物を切れるようにするという目的において、人造砥石を用いることに何の問題もありません。人造砥石の良さは、粒子が均等で安定した性能を発揮し比較的安価に手に入ることです。
一方、天然砥石はとても個性的。同じ山から採掘された同じ石でも、使い進むうちに性質が変わったりします。
これは、長い時間をかけて幾重にも重なった地層が成せる業で、形や硬さ、色や模様、一つとして全く同じものは存在しません。
だからこそ、気持ちよく研げる相性のいい石に出会った時のうれしさもひとしおです。

刃物を美しく仕上げるという目的においては、天然砥石に軍配が上がります。
鏡のようにツルツルと輝くばかりが刃物の美しさではありません。天然砥石の微細な粒子の研ぎムラが、光を乱反射することで刃物を鈍く輝かせます。
この鈍い輝きが描く模様を「曇り」と呼び、天然砥石ならではの美しい仕上げとしてよろこばれています。

天然砥石は、番手をまたいで使えるのも魅力です。
天然砥石は研ぎの圧力で粒子をより細かくつぶしながら金属を削るため、番手のカバー域が広いのが特徴です。
希少なため、1本あたりのコストが高い天然砥石ですが、1本で人造砥石数本分の仕事ができると思えば納得できます。

天然砥石の選び方

砥石は硬いほど刃物との相性、そして使う人との相性を選びます。
よっぽど砥石の扱いに慣れた方でない限り、相性問題が起きにくい軟らかい砥石がおすすめです。
余談ですが、ネット動画では硬い石を使うシーンが多く見受けられますが、それは上手い方が研がれているからです。

天然砥石は、今では僅かに採掘されるばかりで、希少なものは価格も相応。
そんな中、四角く整った石ではなく、多少は不格好でも木端(こっぱ)なら、比較的安価で手に入ります。
使いやすさ、好きな山、色や模様。選び方は様々ですが、先ずは、手ごろな石をいくつか買って、実際に手に取ってみてはいかがでしょうか。

常真では、オンラインショップでも砥石の販売を行っております。ぜひ一度ご覧ください。

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